Kenちゃんのベトナムの品質に関しての考察

つぶやき

ベトナムの経済発展の道のり

ベトナムの多くの商品やサービスは正直日本と比べると劣ります。よく言うならば、ベトナムでは品質を求めるよりもスピードや値段を重視にするからです。悪くまたは正直に言うならば、「品質」というコンセプト自体がまだ定着してないからです。

ベトナムはもともとは共産主義国家です。1986年に始まったドイモイ政策により政治的な思想は維持しつつ自由経済を導入するという、一見多くの日本人には奇妙な社会の仕組みが始まった時代です。この時代には当時のソ連が同じ時期にペレストロイカ政策が始まり、その少し後に中国が改革開放路線が始まりました。政治的には共産主義だが自由経済を推進し始めた時期です。

ベトナムではそれまでは、みんなが同じように働いて国が生活必需品を支給していました。終戦(1975年4月30日)からわずか11年ほどで、まだまだ苦しい貧困の時代でした。ですので、ドイモイ以前のベトナムには「サービス」というコンセプト自体が存在していませんでした。というのも、良いサービスなど提供しなくても国から与えられる量は変わらないのです。富は中央政府によって吸い上げられて分配されます。はい、これが共産主義の根本的な思想です。
この状況が変わり始めたのはドイモイ政策が始まった10年後の1996年頃からです。それまではベトナムの一人当たりのGDPは僅か$419でした。つまり、ギリギリのところでは皆は生きるのに精一杯で、サービスだ品質だ何だーなんて言ってられない時代だったのです。今日明日どうやって食つなぐのかが日々の課題でした。そう考えると、つい30年前まではサービスなんて考え方は大半のベトナム人には無縁でした。

ところが、2000年以降経済が急速に発展して、富を築く人も出てきました。本来共産主義の社会ではありえない、貧富の差というやつです。これがベトナムにサービスというコンセプトを作りだした原動力です。富を持った人たちがもっと良い品物、サービスを期待するようになったのです。

ベトナムも日本と同じような軌道を進んでいるかと思いますが、日本の終戦は79年前、ベトナムは49年前です。日本も急速な経済発展を遂げてバブルの少し前あたりから品質というコンセプトに目覚めたのかと思っています。そのように考えると日本はベトナムの30年先ですが、ベトナムと日本の今日の経済成長率考慮すると、ベトナムがキャッチアップする日もそう遠くはないのかもしれません。

ベトナムの一人当たりのGDP

ベトナムの経済成長をグラフで見ると途端にわかりやすくなります。1990年ころから緩やかに上昇し、2007年あたりを境に急激に上昇しています。

日本の一人当たりのGDP

一方、日本の一人当たりGDPのグラフを見ると1986年から1995年までの短期間にに急激に上昇しています。これがバブル経済と呼ばれていた時期です。ベトナム、日本のそれぞれの一人当たりGDPを見ることでわかるのは、今のベトナムは日本の30年前の状態とほぼ同じ状態だという事です。

私のサービスの品質に対する考え

前置きが体験長くなりましたが、私は自分のプロフィールページに記載されているように、日本に5年間滞在して日本の製品やサービスの品質に関して学びました。特に自動車関連のパーツ製造業に従事していたので「クオリティー・コントロール」という考えを叩き込まれました。どうしたら今よりももっと良いものが作れるのか、もっと良いサービスを提供できるのか…。日本滞在中にそのことを常に考えていました。

そして、その考えは今でも同じです。正直日本と比べるとサービスというコンセプトのレベルが低いベトナムでは、まだクオリティー・コントロールという考えを受け入れられない人が多くいるのも事実です。なぜならば、ドイモイ前の考えが親の代からしみこまされているのでしょう。しかし、それは変えないといけません。ベトナムが今後日本のように、安さで勝負ではなく、「品質」で勝負できるようにならないと、貧しさからは完全に脱却できない。私はこのことを常に頭の片隅に置いて行動しています。

そして、その考え方を当サイトのスタッフとパートナー店舗にも常に共有しています。正直店舗のスタッフやマッサージ嬢にはサービス・クオリティーの改善に関してはなかなか受け入れてもらえない場合もあります。ただ、時間をかけてじっくりと説明して、彼らの日常の生活での具体例などを交えて説明するようにしています。そうすることによって徐々に理解されているきているかと思います。

この記事を書いた人
Ken

当サイトの代表のKenです。日本に技能実習生として5年間滞在しました。2020年にベトナムへ帰国してから色々と経験し、当サイトを始める事になりました。ダナンは生まれ故郷です、美しい自然、フレンドリーな地元の人々…ダナンのすばらしさを日本の皆様にご紹介したいと思っています。

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